宇治川の堤防普請☆ | げむおた街道をゆく

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前田利家・利長親子が、豊臣秀吉により、伏見城下、

宇治川の堤防の普請を命ぜられた時のことである。

 

前田利家は、

『この宇治川の堤防普請は末代までの聞こえとなる!』

と大いに満足し、張り切っていたそうだ。

さて、前田家は堤防作りのため土俵を積むのだが、

この時、利家の方の家中では、あらかじめ集めておいた土俵が少なく、

必要最低限しかなかったらしい。
 

利家のところだけにその辺もケチッたか?

と、その日の暮方、急に川の水位が上がり始めた。
 

このままでは土俵を越えて水が溢れ、それまで二日間の工事を台無しにしてしまう!
利家は土俵を次々と積ませた。

が、用意していた土俵が少なかったためたちまち底を付き、
しかたなく利長のところの土俵まで取って行こうとした。

だがここに利長の家臣たちが立ちふさがる。
「この土俵は我らの方で使う物!勝手に取っていかれては困る!」

考えて見れば、利家のところで水位が上がっているということは、

利長の担当箇所でも当然水位は上がっており、

土俵が緊急に必要となっているのだ。

たとえ利家のところより余裕があったにしても、

簡単に渡せるものではないのである。

が、これに前田利家は激怒。
「お前たちが邪魔をするか!コラー!」

と、持っていた杖を振り回しながら、

土俵の引渡しを拒否した利長の家臣たちを追い回したという。

この事件により利家と利長は何かにつけ対立し合うように成り、

両者の家臣たちも甚だ困り果て、

最終的にこのことを聞いた秀吉が出向いて両者を和解させる、

という事にまでなった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 槍の又左・前田利家、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!