利家は、夜更かしをしても、早朝には必ず起きるのが習慣付いていた。
起き上がるにしても、廊下を歩くにしても、
なるべく音を立てずに、そろそろと歩き小姓を気遣っていたそうだ。
ある朝、主が起きていることに気付いた茶坊主が、小姓たちを叩き起こした。
小姓たちは大急ぎで飛び起きたが、これに気分を害した利家は、
「せっかく俺が気遣って起こさずにいたのに、いらんことをするな!」
と茶坊主を叱りつけた。
昼夜別なく主に仕える小姓仕事の大変さを知っているからこそ出来る気遣いである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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