徳川家臣の青年☆ | げむおた街道をゆく

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1596年のある夜のことである。

 

徳川家康の家臣である青年は、諸大名の家臣同士の寄り合いで、
次のような話を聞いた。

 

前田利家に仕える侍が、自分の待遇に不満を持ち、

主家を去ろうと考えていることを口にすると、

その場に居合わせた幾人かの人々は、そのようなことはやめた方がいい、と忠告した。

 

なぜなら前田利家は息子とともに、

茶の湯の席で太閤秀吉の命を奪うことを計画しており、

これがうまくいったのならば、前田利家父子が天下の主になるだろう。

 

そうなれば、
前田家に仕える彼も大きな領国を与えられるはずだからだ、と語った。
 

これらの話はすべて冗談の作り話であったが、

徳川家康の家臣である青年は本当のことと信じ込んでしまい、

思慮を失って政庁にかけこんで訴え出てしまった。
 

取り次ぎの者から話を聞いた秀吉は薄笑いをして、

ただちにこの青年の身柄を、前田利家に引き渡すよう命じた。

 

前田利家は、なぜそのような嘘で太閤殿下の耳をわずらわせたのか、

と尋ねると、徳川家康に仕える青年は正直に寄り合いの席で聞いたと答えた。

 

事情を調べた結果、単なる作り話とわかると、青年は足枷をつけられ、

ついには彼の父親とともに連行され、一緒に磔になって処刑されたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 槍の又左・前田利家、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!