慶長元年(1596年)に、京都で大地震が起きた。
この地震によって、諸大名と同様、前田家も被害を受けた。
そのため前田利長は、地震小屋を建てた。
父・利家、曰く、
「ずいぶん立派な地震小屋を建てたようだが、
あんなものはある程度機能的ならいいんだ。
ああいう無駄に立派なのを『睾丸の銀薄』というのだ。
金銀を無駄に使えば蓄えが少なくなって、
他人のものが欲しくなるだろう。
だが金銀がたくさんあれば山が崩れようが、海が埋まろうが、
どうってことはない。
お前は大名なんだからそういうことに気をつけないといかん。」
どうやら地震小屋が思いのほか立派だったことが気に入らなかったようである。
利家はこのように利長を戒めたのだった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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