徳川家康は、倹約を徹底したといわれているが、
明かりに関しても同じだった。
蝋燭は数本だけで残りは、油火ばかりという徹底ぶりで、
日頃から家人たちも厳しく言われていたらしい。
ある時、成瀬正成と松平正綱が急ぎの連署状を書くために、
坊主からわずか、二、三寸の蝋燭を請い得て連署状を書き、
その場を離れた。
この時、二人はうっかり火を消し忘れた。
見回りが蝋燭を見かけると坊主は呼び出され、
「上様が御覧になったらお咎めになるぞ。何故消さない。」
と叱られてしまった。
「いや、これは隼人殿たちが…。」
と、坊主が説明しているところに消し忘れに、
気付いた二人が戻ってきた。
「お前たち、消し忘れに気付いていたなら何故消さない。」
坊主はまた叱られてしまった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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