内藤某という、とても狭量な者がいた。
いつも人の言葉を咎めて、
場合によっては、喧嘩に及ぶこともたびたびであった。
ある時、徳川家康は、彼を呼び出して戒めた。
「人は様々なことを口にするものだから、
中には、癇に障ることもあるだろう。
だが、そんなことを、一々心にとめて咎めるのは、よからぬことだ。
戦に臨んで、明日は豪傑の某を討ってやるぞ、という心構えになれ。
お前のいつも人の言葉を咎める心と取り替えれば、
無意味な言葉咎めなどする暇はないはずだ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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