御新香の塩加減☆ | げむおた街道をゆく

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徳川家康が、駿府にいた頃のお話。

家康は、大奥の女中たちが、浄慶の悪口を言っているのを聞いた。
浄慶とは、台所頭のようなことをしていた坊主である。

家康は、年寄の女中に、どうして浄慶を嫌うのかと問いただした。

「それが浄慶のつくるおしんこが塩辛いのなんのって、

それはもう酷いのでございます。

いつも何とかしろと言っているのですが、

いまだに塩辛くて、食べられたものじゃございません。」
 

「成る程。では、わしからよく言い聞かせておこう。」

約束通り家康は、浄慶に、おしんこの塩を減らすように言った。

 

すると・・・。

「そのことですが大御所様、実は・・・。」
 

「ふむふむ。フフフ、成る程。」

浄慶は、家康に何か囁いたのだった。

 

それからしばらく経っても、おしんこの塩辛さに変化はなかった。

疑問に思った家康の近習は、
「いったい大御所様になんと言ったのだ。」

と質問すると、

 

浄慶は、
「女中たちは、いくら塩辛くても、おしんこをたくさん平らげます。

まして女中たち好みの味にしたら、

いくらつくっても、追い付かないことでしょう。
ですから、女中たちの話は、聞かなかったことになさるとよろしいでしょう、
と申し上げたのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!