流出した矢作大橋☆ | げむおた街道をゆく

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徳川家康が駿府に隠居していた頃、

岡崎で大雨が降って矢作大橋が流失し、

家康が新しい橋を架け直すように、指示したことがあった。

すると側近らが、

「私たちは以前より考えていたのですが、

この際、橋を架けるのをおやめになってはいかがですか。

というのも、あの橋はここらでは珍しいほど大きく、費用がかかるでしょう。
それに未だに世は不安定ですから、

いざという時には川が天然の要害となることでしょう。

しかし橋があるとそれも台なしです。
ですからこの際、橋は架けずに舟渡しになさっては。」

と具申した。

だが家康は、

「何を言うのか。矢作橋は古くから記録にも記されてきたもので、

日本に知らぬ者はいない。

それを費用がかさむからと、いまさら架けるのをやめて、

旅人を困らせるようなことを、君主がおこなってはならぬ。

費用がどれだけかかろうともよい、早く橋を架けよ。

それから要害というものは人によって、

時によって異なるものだ。

わしが思う要害とは、人々の心を固くすることよ。

だから早々に橋を架けて旅人の苦労を取り除くのだ。」

と言って、側近らの意見を斥けたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

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