家康、強がる☆ | げむおた街道をゆく

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大坂夏の陣、五月七日の朝のことである。

家康は、具足をつけず、袴に茶色の羽織という姿でいた。
このとき藤堂高虎がやってきて、家康の姿を目に止め、

「具足は、お付けにならないのですか?」

と、尋ねた。

 

すると家康、

「秀頼の様な若輩者を成敗するのに、具足などつける必要があろうか!」
と言った。

さて、高虎がその場を退出した後、

家康は傍にいた松平右衛門太夫に、こっそりこう言った。

「高虎にはあんな事を言ったが…あいつにも、こんな事は悟られたくなかったからだが、

実は歳を取って思いがけなく下腹なども膨れて、

具足など着ては馬の乗り降りも出来ない有様なのだよ。
それで、具足をつけないのだ。

わしも若い頃とは、本当に変わってしまったよ。」

この時、徳川家康、74歳。

天下人とて、歳を取っても強がりたいものなのだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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