家康の鯉☆ | げむおた街道をゆく

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まだ家康が、岡崎にいた頃、家康は城中の池に、3匹の鯉を大事に飼っていた。

ところがある日、一番大きな鯉が消えうせていた。

家康が番人に問いただすと、
家臣の鈴木久三郎という者が、殿から拝領したのだといってこの鯉を調理させ、
さらに同僚達を呼んで織田信長から送られた酒と一緒に平らげてしまった、

ということであった。

なんと言うやつだ!

鈴木を成敗する!

怒った家康は長刀を握り締め、鈴木を呼びつけた。
 

御前に現れた彼は大小を後ろに投げ捨て、平伏し、言った。

「恐れ入った事をいたしました。

しかし魚鳥のため人の命をお取りなさるとは、なんと愚かな。
殿の事を見損なっておりました。

さあ、ご存分に!」

と、家康の前に首を差し出した。

このとき家康は気がついた。

つい先日、城の堀で魚を盗った徒士と、禁猟地で鳥を撃った家士がいて、

近く処刑するつもりで捕らえさせてあった。
鈴木は、命をかけてそのことに対する諫言をしているのだ。

家康は手に持った長刀を放り出すと、

「久三郎、一命を許す。」

と言って、奥に引っ込んでしまった。

先に捕まった二人の家士も許された。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!