浪切孫七郎☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

三河一向一揆の大将格の一人・浪切孫七郎は戦闘中に、

小豆坂で徳川家康に会ってしまった。

 

するとどうしたことか、孫七郎は敵の大将に背を向けて逃げ出したのである。

彼は家康と敵対してこそいたが、家康を殺したいわけではなかったのだ。
ただし、慌てて逃げるとみっともないので、そろ~りと馬を進めた。

「待たんか貴様!孫七郎だろう!」

(やべ、バレた!)

焦った孫七郎、やっと本気になって馬を走らせるが、

家康に背中を二度突かれてしまう。

 

しかし、致命傷ではなく、孫七郎はなんとか逃げおおせた。

そして一揆鎮圧後のある日、家康は帰参した孫七郎を呼び出した。
「小豆坂で負った後ろ傷はその後どうだ?」

「某は後ろ傷を負ったことなどありませぬ!人違いでありましょう!」

「ほう、白を切るつもりか。わしは確かに二度お前を突いたぞ。
そこまで違うと言うのなら、裸になれ!」

孫七郎は追いつめられて顔を真赤にするが、まだ認めない。

「確かに二ヶ所槍傷がありますが、断じて殿に突かれたものではありませぬ!
他の者に突かれたのです!」

「それ見ろ。それは間違いなくわしのつけた傷だ!
その傷があるかぎり、お前は一生わしに頭が上がらんな?」

いよいよ言い訳できなくなった孫七郎は、ついに降参した。
それからの孫七郎は熱心に奉公したという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!