墓参り☆ | げむおた街道をゆく

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徳川家康の幼少期、駿河で人質生活を送っていた頃のことである。

駿府に、増善寺という寺があった。

この寺の等膳和尚は松平竹千代が岡崎にいた頃から顔を見知っており、

竹千代はこの和尚を頼り、しばしば寺を訪れていた。

そんなある時、竹千代は寺への参道でふと鳥を見つけ、これを捕まえようとした。
すると近くにいた村人が、

「ここは殺生禁断の寺である!その事を知らぬのか!?」

と、竹千代を散々に罵った。

竹千代は等膳和尚に会うとこの事を告げた。

 

すると和尚は、
「むやみに鳥を殺すのも、仏の道に背くものであるぞ。」
と、説教をした。

 

ところが竹千代、和尚の言うことに不服を申し立てた。
「仏の道、と申しますが、私は自分の父親が死んだというのに、

私は人質であるため、その葬儀に出向くことすら出来ませんでした。

これほど仏の道から外れた行いがあるでしょうか!?
私は…。」

うつむいて、

「せめて一度だけでもいい。岡崎へ行って、父上の墓参りをしたい。」


これを聞いた等膳和尚は竹千代を深く憐れみ、秘密のうちに手配をし、

岡崎に行かせ、密かに父・広忠の墓参りをさせた、という。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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ごきげんよう!