名将の降伏☆ | げむおた街道をゆく

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大津攻めの後に、柳川に帰還した立花宗茂だが、

鍋島軍の挑戦を受け止むを得ず戦った、江上・八院合戦。


何度も鍋島軍を蹴散らかすも多勢に無勢で敗北し、

立花軍総大将だった小野鎮幸も重症を負った。


1600年10月23日深夜、宗茂は意を決し、降伏するため加藤清正の本陣を訪れた。
勝ったのは鍋島なのに何故訪問が加藤清正本陣かと云うと、
立花軍総大将小野を討ち取るまで後一歩というところで、

加藤清正が鍋島軍に待ったをかけたからだ。


宗茂に朝鮮の役で借りがある清正は宗茂を無為に死なせたくなかったし、
黒田如水も鍋島軍と立花軍には消耗戦で兵力を損なわせず島津戦に使いたかった。


そこで交渉は清正が受け持ち宗茂を助けるため、

鍋島に引き上げるように使者を送ったのだった。


途中から東軍の鍋島にとって最初から東軍の清正と如水が相手では分が悪い。
鍋島は名将の降伏というクライマックスシーンを清正に譲る羽目になった。

清正は数名の供だけを連れて来た宗茂を丁重に迎えると言った。
清正「毛利輝元と宇喜多秀家に謀られたのでしょう。
立花殿の行動は豊臣家への忠義のためにしたことなのは誰もが認めるところです。
徳川殿には自分が取り成すので、これよりは東軍の先手として尽くされよ。」

清正の言葉は宗茂の気持ちのどこかに響いたらしい。

名将は落涙したと伝えられている。
宗茂は清正に丁重に謝意を述べると、今後は東軍に従がうことを約束した。



これで終るかと思ったら清正本陣でハプニングが起きる。
何故か馬が1頭、突然暴れ出し引き綱を切って走り回った。
清正の本陣は馬を押さえようと騒ぎになったのだ。

さて、主君宗茂の帰りを今か今かと待っていた柳川城。
三の丸から清正の本陣の騒々しさに気づき、
立花兵「あの騒ぎ!さては主君宗茂を謀り殺したのではないか!」と勘違い。
籠城だ!弔い合戦だ!と騒ぎ出し、

清正本陣の様子を見ようと3の丸に続々兵が集まりだした。

一方、部下から騒ぎの報告を聞いた清正は、ただちに柳川城へ使者を出した。
清正の使者は大声で柳川城に向かって叫んだ。
使者「ただいまの騒動は暴れ馬のせいでござる!和議は無事整ったので、

貴公らの主君は、間もなく戻られるゆえ安堵なされよ!」

柳川城内は半信半疑で今にも暴発しそうなのを、

留守を預かった薦野増時が必死で宥めた。
 

立花兵にとっては気の遠くなるような待ち時間だっただろう。
やがて宗茂が「ただいま」と何事もなく戻ったときには歓声が上がったそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 忠義と剛勇は鎮西一・立花宗茂、目次

 

 

 

 

 

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