高橋紹運が、その子・宗茂を、立花道雪の養子とすることと成り、
一日宴を張り杯を挙げ、宗茂にこの様に言った。
「今日以後、お主は道雪の子である。
夢にもこの紹運の子であると思ってはならない。
もし明日にも、不幸にして武道において、
私が道雪と相戦うことに成るかもしれない。
一旦戦端が開かれれば、
お主は道雪の先陣として、この紹運と戦うのだ。
あの道雪は、いささかの未練であっても、嫌悪する豪勇の士である。
お主がいささかでも未練の念を発し躊躇する様子があれば、
道雪は直ちにお主を義絶するであろう。
もし道雪に義絶されるようなことがあれば、
それは武士の恥辱であり、末代までの笑い草と成る。
その時は、この刀を以って潔く腹を切れ。
誓って、ここに帰ってきてはならんぞ。」
そう語ると長光の一刀を与えた。
宗茂は涙を流して、これを受け取ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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