佐竹義宣が、伊達政宗、上杉景勝、島津忠恒らと共に、
徳川家家臣の屋敷での酒宴に参加した時のことである。
義宣はこの時、普段から仲が悪かった政宗と景勝を和解させる為に、
「二人とも、この機会に仲直りしましょうよ。」
と何度も言い聞かせた。
これに景勝は応じたが、政宗はといえば、
「俺も別に構わんぞ。だが、もし貴殿が幕府に背くような事あらば、
俺が直ちに粉砕してやるわ!」
と逆に景勝を挑発した。
「・・・・・・てめぇ。」
善意を踏みにじられてしまった義宣は、政宗のこの発言にブチギレてしまい、
「上等だよ!だったら、もしお前が幕府に背いた時には、
俺か景勝のいずれかか先陣になって、お前をぶっ潰してやんよ!」
と応酬した。
その後、政宗は自身の後継者である忠宗が忠恒に刀を贈った話をきっかけに、
「義宣の刀が見たい。」
と言い出したが、義宣は、
「誰が見せるか。」
と頑として応じなかった。
「おいおい、お前は何をそこまで用心してんだよ?」
と政宗に問われると、
「お前相手に、用心しない訳がないだろうが。」
と返したという。
仲介役がケンカの当事者になってしまったお話である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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