鍋島家の家臣達の間に、ある不満が広がっていた。
隠居している大殿・直茂が、最近雇われた新参者をいつも側においているのだ。
しかもこいつが槍働きなんぞできそうにも無く、
やたらに軽薄なだけの奴であった。
直茂は隠居したとはいえ、
未だに家中からは畏敬の念を持たれている。
はやい話、
「な、なんであんな奴が大殿のお気に入りなの!?」
という嫉妬であった。
で、ある家臣がみんなを代表して直茂に苦言を呈した。
家臣「最近〇〇をやたらに可愛がられているそうですが、
我々が戦場で現役だった頃には全然見かけなかった奴ですよ?
これから先も役に立つとは思えないんですが、
どこが気に入って可愛がっておられるのですか!?」
直茂「まあ確かにその通りだな。あやつは先々も大して役に立たんだろう。
その分気安く使えるから、俺のお尻を拭かせるのに雇ってるんだよ。」
家臣「……(汗)」
直茂「だってほら、いざって時にはお前らが頼りだけど、
お前らに俺の尻拭かせるわけにはいかないだろ?」
家臣「お、大殿……(泣)」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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