小早川隆景☆ | げむおた街道をゆく

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鍋島直茂の家臣が、街の噂を主君に伝えた。
「世間では『太閤当時の名将と言えば、小早川隆景と鍋島直茂』と申しておりますぞ!」
喜ぶ家臣に、直茂は答えた。

 

「何をもってワシと隆景を並べる?いいか、あれは確か・・・。」

小田原攻めの翌年、秀吉が諸大名を集めて言った。
「その方らの苦労にもっと報いてやりたいが、

いかんせん日本は小国で土地が足りぬ。
この上は高麗に攻め入り、

唐天竺を切り取り、末代までの物語にせん!
その方らにも思う存分に知行をくれてやろう!どうだ!?」

あまりにも突然の言葉に、

「乱心か?!」

と思う者までおり、一人として返答できずにいると、
小早川隆景が進み出た。

「いや、ごもっとも!こんなこともあろうかと・・・。」
持って来た絵図面を広げた隆景は、

軍議でもあるかのように
「赤塗りの国には、この道より討ち入り・・・その後、白い国へ抜けると・・・。」
と、秀吉に解説まで始めた。

その場にいた鍋島直茂は、秀吉の機嫌を損ねるのを恐れ黙っていたが、
(知将と名高い隆景が、絵空事でお追従とは!)と、あきれ果てる思いだった。

「・・・ところが、いざ海を渡ってみれば、

話半分に聞いていた隆景の解説そのままだった。
どうやって調べ上げたのか?

あるいはあの詳しさは、みずから渡海していたか?
いずれにせよ、隆景こそワシなど及びもつかぬ、天下の名人よ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 佐賀の雄・鍋島直茂、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!