幽霊☆ | げむおた街道をゆく

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ある時、三の丸にて不義密通をしたものが出たので、

鍋島直茂は詮議の上、男女とも死罪とした。
 

ところがその後、この男女の幽霊が毎晩現れるようになり、

城の女中衆は怖ろしさのあまり、

夜になると部屋の外には出ないほどであった。
 

この様なことがしばらく続いたので、

御前様(直茂正妻・陽泰院)に申し上げたところ、

慰霊のため祈祷や施餓鬼などをするよう仰せ付けられたが、

これらをしても幽霊の出現は止まなかった。

そこでついにこの事を直茂公に申し上げると、

直茂公はこれを聞かれて、

「さてさて、なんと嬉しいことだろうか。
あの者たちは首を斬っても足らないほど憎き者たちであった。

そうであった所に、あの者たちが死んでも行くべき所にも行かず、

迷い廻って幽霊となり、

苦しみ続けているというのは実に嬉しいことである。
なるほど、かまわないからずっと幽霊としてこの城に居ればよい。」

すると直茂がこう言ったその夜より、幽霊は出なくなったそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 佐賀の雄・鍋島直茂、目次

 

 

 

 

 

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