佐賀の松原川に、兵主部(ひょうすべ)という名の河童が住んでいた。
この河童は大変凶暴で、付近の子どもたちを次々と水に引きずり込み、
近辺の人々は大変困っていた。
さて、その事を聞いて心を痛めたのは、
佐賀藩初代・鍋島直茂である。
しかし直茂、この兵主部を捕らえるのではなく、取った方法は、呪殺。
なんと仏神にこの河童を呪い殺してくれるよう祈願した。
これに震え上がったのは兵主部である。
すぐに直茂の前に現れ命乞いをし、
「どうか私の彫刻を作ってください。そうすれば私は今までの罪の償いとして、
この地域の子供達を水難から守ります。」
と言う。
直茂はそれを受け入れ、兵主部の像を作った。
これ以後、松原川では子どもが河童に水に引き込まれることは無くなった、
とのことである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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