立花道雪は、瀬高口の陣を引き払い、嘆いて曰く、
「天晴れ、鍋島は智仁勇の大将だ。
わしは多年、肺肝を砕いて謀ってきたが、彼は謀られなかった。
運を天に任せて時を待とうとしても、
鍋島は若く健全であるのに比べ、この道雪は年老いたうえに病身だ。
口惜しき仕合だよ。」
と首を垂れて悔やんだ。
その苦労は日々積もり、道雪は高良山の陣中で死去した。
鍋島直茂は、それを聞いて落涙して惜しんだということだ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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