神の祟り☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

讃岐の国には、日本武尊を祭る神社があった。
讃岐の大内郡、寒川郡、山内郡、香河郡の四郡はこの神社の神域として、

『この地域で鶴を取るものがあれば、神の祟りあり。』

そう、言い伝えられていた。

そのためであろうか、この地域にはたくさんの鶴が棲む事で、
有名だったそうだ。

ところで、宇喜多秀家がある時、讃岐の領主・生駒親正の屋敷に遊んだ。
この折、秀家が尋ねる。

「貴殿の領内に多くの鶴が棲む所があると聞きましたが、そうなのですか?」

「ええ、仰る様に我が領内の四郡に、鶴が多く群生しておりますが、

そこは神の祟りを憚って、狩を禁止しているのです。」

これを聞いて秀家、
「なるほど、確かに讃岐の中の人間なら、

そう言うものに憚りがあるのでしょうが、
他国の者には、そう言う憚りは関係ないので、

鶴を取っても大丈夫でしょう。
私の鷹をそこに遣わしますから、

鶴を取らせていただけませんか?」

まあ、つまり秀家は、そういう禁忌を迷信であるとして、

地元の人間には、昔からの風習でもあるし、
世間体などもあって、そういった禁忌を守る必要もあるのだろうけど、

他国者にはそう言う地元の風習を守る必要は無いのだから、

狩をしてもいいでしょう?

と言っているわけですね。

豊臣家ご一家でもある秀家の頼みである。

生駒親正も、

「どうぞお心のままに。」

と言うほか無い。

 

秀家は早速、蒼鷹三羽に鷹匠を添えて讃岐に派遣した。

そうして明日の狩の準備をしていたところ、
どうしたことかその夜、三羽の鷹は皆地面に落ちて動けなくなり、

鷹匠たちも怪しみ、備前へと戻っていった。

この事があってから程なく、宇喜多家では家老達との紛争が起こり、

さらに関ヶ原で敗北し、滅びた。

これに讃岐の人たちは、

「神域で鶴を狩ろうとしたため、神罰を受けたのであろう。」

と、言い合ったそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 宇喜多騒動・宇喜多秀家、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!