明智光秀の家臣・野々口丹波は、
山中幸盛の旅館に来て、
「陪臣の身で申すのは恐れ入りますが、
貴方が私のあばら屋に御来訪して下されば、
どれほど幸せなことでしょう。」
と言った。
幸盛は、
「私には分に過ぎたことです。参りますとも。」
と約束した。
このようなところに光秀が、
「今日は風呂を用意しているから、来られよ。」
と、言ってきたので、
幸盛は、
「ご家来の野々口と先約いたしまして。」
と打ち笑った。
光秀も共に笑って、
「これで山中をもてなせ。」
と野々口に、雁一羽と鮭一尾を与えた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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