あの景虎という者☆ | げむおた街道をゆく

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永禄4年、最初の越山で北条氏の本拠、

小田原に迫り来る上杉景虎の軍勢に対し、

小田原城では重臣たちが集まりその対応を協議していたが、

様々な主張が出て議論となり、

いかなる方針を取るか結論が出なかった。

 

ここで、北条氏康が重臣たちを諌めて言った。

「今度の景虎発向の事について各々の主張はどれも尤もである。
であるが、あの景虎という者、天性健やかなる若者で、

血気盛んであり、腹が立って怒る時は炎の中にも飛び入ろうとし、

鬼であっても掴み拉ぐというほど短気な勇者である。

であるが、そんな彼も少し時が過ぎると、

その勇も醒めて万事思慮するようになる傾向がある。
『仁者は必ず勇あり、勇者必ず不仁』

と言うではないか。

現在彼は上杉憲政から関東管領の名を譲られ、

諸侍を配下に付けているのだから、彼の考えを想像すれば、

一層その強みを出そうとしているだろう。
その上彼の軍勢は多勢である。

だからその進軍する先々に、我らは軍勢を出さずに籠城して、
彼の血気を悩まし、その塩を抜くのだ。

来鋭を避け惰気を撃つとはこれなり。
勇気も疲れ、数日対陣し兵糧が減って、飢えたところを討つのだ。」

 

 

 

  『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。  

 

 

 

こちらもよろしく

→ 相模の獅子・北条氏康、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!