毛利国替え☆ | げむおた街道をゆく

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秀吉は全国を統一した後、隆景に相談して次のように問いかけた。

「毛利輝元は、当初から自分に二心なく属してきてくれたので、

ついに心安く全国を平定することができた。
そう考えると輝元の忠義は忘れがたい。
そこで、輝元の領国の中国を国替えして、

もっと広い九州の九カ国を与えようかと思うのだが、どうだろうか?」

と。

隆景は答える。
「仰せの通り、九州は輝元の現在の領分よりよほど広くはございますが、

しかしながら、今の領国は輝元の祖父元就が、

小身より一代で取り広めてきた国ですので、

先祖の国を捨てて他所へ参ることは、
何ほど領分が広くなりましょうとも、

先祖の功労をむなしくするようにも思え、本意ではございません。
広い所へと国替えしていただこうという思し召しは、

誠にお恵み深いものと思いますが、
どうか、そのままにしておいていただけますなら、ますます有難く存じます。
ことに、輝元は今の領地でさえ莫大でありますに、

さらに領分広大となれますれば、
殿下にも御後悔なさることが、あるかもしれません。
どうか、お国替えはご遠慮したく思います。」

秀吉は、その言葉に感じ入って言った。
「毛利をさらに大身にと思って国替えを考えてみたが、

御辺の申すことは実にもっともなことである。
そのままにしておこう。
ことに、いよいよ大身となせば後悔もあるべきかと申すこと、

実に率直な申され様、ひとしお感じ入った。」

と。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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