指物ひとつに命をはる☆ | げむおた街道をゆく

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慶長五年九月二十四日出羽国長谷堂城でのこと。

 

この日、最上勢と直江兼続率いる上杉勢の戦いは、一段と激しかった。
夜遅く、最上側が追撃にあった際、

さしてあった総大将義光の指物が抜けないのを鮭延秀綱が気づき回収しようとした。
 

しかしなかなか固く抜けずに困っていると、義光が女三という法師武者をよこし、

回収せよと命令してくる。
 

秀綱は女三に、

「この小旗は任せろ。鉄砲の応援を50か100頼む。射撃の合間に引き抜こう。」

と伝えたが、応援はまったく来そうになかった。

すると今度は義光その人が単騎で駆けつけ、

直に回収を指示してきた。
 

秀綱は、

「今、女三にも申した通り、ともかく鉄砲30騎ばかりでも援軍をください。」

と返答。
義光が承知して帰ると、やっと鉄砲30騎ほどが駆けつけた。
さらに政宗からの援軍らしき二騎が来たので救援を依頼したが、

聞こえなかったのかスルー。
ここへ最上衆の安食七兵衛が駆けつけてきたので、

両者被弾しつつも鉄砲を撃たせ、

なんとか指物回収に成功したのであった。
 

七兵衛はのちに、

「長谷堂の手負いは典膳(秀綱のこと)に撃たれたようなものだ。」

と笑って秀綱に語っていたという。

指物ひとつに命をはる、戦国武士らしいお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 出羽の驍将・最上義光、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!