その面影、昔恋しい☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある時の2月初旬、

伊達政宗は、具足を飾らせそれを見ながら言った。

「私は若年の頃より、誠に具足によって育てられたようなものだが、

この頃は弓を袋に、剣を箱に収める御代であるので、
この様にたまたまこの具足を見ると、一層珍しく、

その面影、昔恋しいものだ。

願わくば、馬にも未だどうにか乗れる間に、これを肩にかけ、

老年の思い出のなぐさみとして、一合戦するのが望みである。

未だ君(将軍家光)もお若い。

なので、甲斐甲斐しくとは行かないだろうが、合戦にて君を指導し、

また私の若き子供たちを指導すること、これのみが今の願いである。

しかし徒に年月を送ってしまったよ、口惜しいことだ。

もはやこの具足も、このまま、これにてこそ。」

そう語ると、ハラハラと涙を流された。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 独眼竜政宗・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!