大坂の陣の時、伊達政宗が奈良において、
全ての足軽大将を集めて鉄砲を釣瓶撃ちさせたが、
加藤太という足軽大将の足軽たち300ばかりが鉄砲を撃たなかった。
この事を糾明したところ、加藤太は、
「道中にて火を持っていれば、火縄を入れておく意味はない。
火薬を足軽に預ければ道にこぼして多く廃ってしまう。」
そう言って火縄、火薬ともに荷に包み小荷駄に付けて後より来るようにしたため、
この時の釣瓶撃ちに間に合わなかったのだという。
政宗は激怒し、
「職分を忘れて、役人の出納を気取るか! これ士の見せしめである!」
そう言うと自ら斬って棄てた。
また足軽たちに命じて、一斉に刀を抜かせ木を切らせた。
この時、一人錆びた刀を差し、木を切ることできなかった。
これも糾明したところ、足軽が病のため、
人足を雇って代わりに役を勤めさせた。
そのためそのような刀を持っていたのだと答えた。
政宗はこの足軽大将も成敗し、諸卒に示した。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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