三河武士☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

伊達政宗が大坂へと上る途中、相模の中原と言う所で鷹狩りをした。
 

ところがそこは徳川家のお鷹場であり、この地域の奉行の大岡伝右衛門は、

その事を知ると、なんと槍を手にして、政宗の元に物凄い勢いで走って来た。

怪訝な顔で大岡を見る政宗に、

「き、貴殿はここが、徳川家の鷹場とご存知で、この様な狼藉をなされているのか?
私はここを守るように言われている身分です。このままでは言い訳が立たない!
早々に私の首を取って、家康公の前に持って行って頂きたい!」

政宗は当惑した。

この男、本気で首を取られる気になっているのだ。
 

「さあ斬れ、今斬れ、すぐに斬れ。」

と叫んでいる大岡に、政宗は、

「いや、お前が責任取らなくていいように、俺が家康公には色々言っておくから、

とりあえず落ち着こうよ。な。
ここで鷹狩りしたのは俺が悪かったからさあ…。」

何故か大岡をかばう羽目になった政宗。

どうにかこうにかなだめ引き取らせた。
大坂についてから家康にこのことを話すと、家康も笑いながら、

「まことに失礼いたしました。

どうか、大岡の無礼を許してやってください。
あ奴の家も安祥以来の譜代なだけに、主命を大事にしすぎまして…。」

すると政宗は、
「まあ、私も有名人だから、彼も張り切っちゃったんでしょう。」

と、変な納得をした。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 独眼竜政宗・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!