朝鮮行の船にて☆ | げむおた街道をゆく

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秀吉の朝鮮出兵に伴い、
政宗もまた兵を率いて、肥前名護屋から出航した時の事。
 

政宗が船の中を見回していると、見知らぬ老僧が乗っていた。
 

誰何の問に、老僧答えて曰く。
「自分は宮城郡国分寺に住む僧で、中国に渡って法を求めたく思っている。
殿が朝鮮に渡ると聞き、お供の船に紛れ込もうと思ったのだが、
誤って御座舟に乗ってしまった。」
そう説明して謝罪する老僧に、政宗は同行を快諾し、
逆に航行の安全祈祷を願った。

やがて朝鮮から帰国することになり、
政宗は釜山から再び船に乗った。
するとこの船に、またあの老僧が乗っていたので、
政宗はこれを喜び、手厚くもてなした。

さて、後日になって政宗は国分寺に使いを出し、
船に乗っていた老僧の事を尋ねたが、
国分寺からの返答は、そのような老僧の事は誰も知らないということだった。
 

政宗は、あの老僧は薬師如来の化身で、
自分を憐れんで擁護してくれたのだろうと、深く感激し、
薬師堂や白山神社、仁王門を建てることにしたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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