伊達政宗の下士に丹野善右衛門という身の丈六尺を超える剛の者がいた。
大坂の役にて秋保刑部の与力として働いたが、秋保刑部は討ち死にしてしまった。
善右衛門はそのままにしておけぬと、
秋保の甲冑を着けたままの肥満体を背負って帰陣した。
政宗はその勇気と義心を賞し、感状をしたためて三百石を与えた。
しかし、その感状の宛名がなんと「丹野髭右衛門」。
善右衛門はたいそう長い髭をたくわえ、
普段から髭右衛門と呼ばれていたからである。
本人もまんざらでもなかったらしい。
主君にまで髭右衛門と渾名されたことを大変名誉に思った彼は、
以来ずっと髭右衛門で通したと言われる。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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