政宗、実はおばあちゃんッ子だという意外な側面があった。
おばあちゃんとは勿論、輝宗の母親であり、岩城重隆の娘。
かつて晴宗が婚礼前に拉致して、
強引に妻にしたという逸話をもつ久保姫である。
幼少の頃、眼を失って醜い容貌になってしまった後、
母親の義姫は政宗を疎んじだしたようだが、
容貌も気にせず、自分をとても可愛がってくれた優しいおばあちゃんの久保姫を、
政宗は終生慕っていたようだ。
米沢から岩出山に移封された際、
おばあちゃんの久保姫は根白石という場所に移った。
ここは久保姫の故郷の岩城に似ていたらしく、
政宗に「おばあちゃんはここが気に入ったの。
死んでもぜったいここを動かさないでね。」
と遺言して亡くなり、根白石に葬られた。
政宗はおばあちゃんのために、根白石に宝積寺という寺を建てて供養した。
さて、根白石は岩出山からはかなり遠く、
仙台に城を移してもまだ遠い場所だった。
ちょくちょく墓参りもできないなと思った政宗だが、おばあちゃんの遺言もあるから、
墓を移すこともできない。
ということで、なんともう一つ、仙台城下にも寺を建ててしまった。
政宗は、仙台にいる間は朝夕、城から寺の森を目印にして手を合わせていたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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