姥口の釜☆ | げむおた街道をゆく

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混乱を極めた越前をようやく平定した柴田勝家は、織田信長に拝謁した。

「権六、良うやった。褒美は何が良い?」
「されば、殿ご秘蔵の『姥口(うばぐち)の茶釜』を頂戴いたしたく…」
「あれは余が父・信秀より相伝せし逸品。それを求めるならば、さらに励むべし。」
「…………。」

数年後、加賀・越中をも攻略した勝家は、信長に拝謁した。
「権六、良うやった。余みずから茶を点てて進ぜるゆえ、しばし待て。」

茶室でしばらく待っていると、信長が茶釜を持参して現れた。

炉にかけられた釜を見て、勝家は驚いた。
「そ、それは『姥口の釜』!!」

♪馴れ馴れて 飽かぬ馴染みの 姥口を 人に吸はさん こと惜しぞ思ふ
(もうつきあい馴れて飽きたババアの口でも、他人がkissすると思うと惜しいモンだな)

そう口ずさみながら、みずから茶を点てた後、

信長は約束通り『姥口の釜』を勝家に譲った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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