朝倉・浅井勢の先陣が比叡山に陣どったことに驚いた織田信長は、
すぐさま比叡山に向かおうとしたため、
市井の人々は大騒ぎになった。
その時、茶室で家臣が集まるのを待っていた信長に柴田勝家が進言した。
「都の大衆が不安がっております。
一刻も早く将軍様のお供をして、心配ないということを示すべきでしょう。」
「そんなことは後回しだ。今はすぐにでも敵を攻撃しなければならん。」
「ほほう、急ぐと仰りながら茶をすすっているのは過失ではないのですか。」
「なんだと?」
信長は勝家を睨んだが、同時に勝家の言葉は道理だとも思った。
そして信長は勝家の進言を受け入れ、将軍義昭が健在であること、
自分の軍勢がいる限り心配はいらないということを人々に知らしめた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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