蒲生氏郷が会津に入ったあとの話。
伊達政宗は、
「どうすれば憎っくき蒲生氏郷を亡き者にできるだろうか。」
と考えていた。
そして家臣の息子に清十郎なる16才の美少年がいたのだが、
彼を氏郷の姻戚である田丸中務少輔のもとに児小姓として送り込むことにした。
氏郷が田丸のもとを訪れたときに暗殺しようと考えたのである。
だがこの計画は失敗した。
清十郎が父に宛てた手紙が検閲されてしまったのだ。
哀れ、少年清十郎は投獄されてしまう。
清十郎の命もこれまでかと思われたが、氏郷は、
「主命のために命を顧みないとは、なんと勇気ある少年だろう。」
と感動したらしい。
氏郷は清十郎を呼び出すと、
「私は罪のない義士を投獄して辱めてしまった。
主君のために命を捨てて、忠義を尽くすことは賞賛に値する。
伊達家に帰るがいい。」
と清十郎を丁重にもてなして、帰してやるのだった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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