小田原の役の時、
北条氏直の陣所に対する豊臣方の仕寄場へ、
城中より夜討が仕掛けられ、先手の者たちがこれに対応したが、
この時、蒲生氏郷は、具足も付けず鑓を持つと、
正面の敵に構わず、敵の後にただ一人廻り、
敵の後から突き倒し、散々に相働いた。
これにたまらず敵方は城中に引き取ろうとしたが、氏郷一人に責め立てられ、
逃げ惑い堀に飛び込む者まで居た。
これを見て後から駆けてきた侍たち、我も我もと頸を討ち取った。
氏郷は数多の敵を突き倒し、その頸を取った者も多かったという。
関白秀吉は、その働きを聞いて感じ入り、
「氏郷が活躍するのは珍しいことではないが、
今回の夜討に敵の後ろに回り、一人で切り取り数多の頸を討ち取ったこと、
当意の機転、古今稀なる働きである。」
と讃えたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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