ある時、蒲生氏郷は、前田利長・細川忠興・上田主水正・戸田武蔵守らを招き、
雁鍋を振る舞った。
鍋を囲み談笑していたが話が進むうちに、
「秀吉公の次の天下は誰のものか?」
という話題になった。
即座に氏郷が、
「それならその男の親父殿だろうよ。」
と利長を指さした。
皆は合点が行かぬようだが、
今上で加賀大納言殿の他にどれほどの人物がいようか。
北陸三州を治め、京までの道筋を阻むものはない。
西国の毛利輝元が上洛を試みようとも、備前に宇喜多秀家が控えているし、
関東の徳川家康が上洛しようとすれば、この飛騨が会津におる。
即座に食らいついて、箱根を超えさせぬ」
と言った。
次に主水正が、息子利長がそこにいるにもかかわらず、
「では、利家様が亡くなられた時には誰が天下を取るか。」
と問うと、
氏郷は間をいれず、
「その時は、この氏郷が取り申そう。」
と答えた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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