蒲生氏郷の家臣に、西村左馬亮と言うものがあった。
この西村、かつて西国での合戦において軍令違反をし、
一旦勘当されていたのだが、
細川忠興が間に入り、漸くにして帰参を許された。
さて、西村が帰参をはたした翌日、氏郷はこれを召しだし、唐突に
「久しぶりに、その方と相撲をとろう!」
そういって立ち上がり、おもむろに立会いを始めた。
西村はこれに驚いたものの、それならばと受けて立ち、氏郷を投げ飛ばした!
これに氏郷、もう一番と向かっていく。
が、これも西村「笑止」とばかりに氏郷を負かした。
この時、氏郷、
「普通、世間一様の者ならば、勘当を許された翌日でもあり、
追従と言う気持ちが無くても、ついつい力を出さず相撲に負けるであろう。
それなのに西村は、昔のまま硬骨として、
わしを倒して憚る色も無い。
これこそ勇も有り、義もある振舞と言える。」
そう西村の態度を賞賛し、即座に加増を申し渡したと言うことである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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