上杉謙信が、佐竹義重の武勇をみて、
「我が武略を真に継げる人物はあなただけです。
この長刀は老後に杖として使うつもりでしたがあなたに託そうと思う。」
と言って刀を贈った。
しばらくして手取川で織田軍5万を2万で破った謙信は死去した。
義重はこの宝刀を大切に想い、
武神の魂としていつも手入れを欠かさなかった。
義重もいつしか歳をとり息子の義宣に我が武略の魂として長刀を与えた。
少し経ってから義宣に会った義重は、
何やら見た事がある刀を見かけて不思議に思って聞いてみた。
「なんだその刀は見た事あるな?」
すると義宣は、ニコニコしながら答えた。
「あぁこれは過ぐる日に、父上からもらった長刀です。
なんか長すぎて柄に収まりづらくて使いづらいから短く切断しました。
だいぶ使い易くなりましたよ!」
それを聞いた義重は。悲しい表情をして空を仰いで、
「あぁ我が武神も去ったか。」
と嘆息した。
その後、義宣は常陸一国から転封され、出羽秋田に飛ばされた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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