長野業政が病死し、武田信玄による上野攻めがいよいよ本格化する。
信玄の先手、那和無理之助の手勢200余騎は、秋間山を越え鳥川を渡り、
鷺坂長信の砦を攻め立てた。
この時、鷺坂は長野氏の主城・箕輪におり、砦には留守の者たちしかいなかった。
彼らも必死で防戦したが衆寡敵せず、ついに砦を捨て箕輪へと落ち延びていった。
無理之助は砦を放火すると、敗兵を追撃し白岩山に至る。
ここで箕輪より、
老将、安藤九郎左衛門、100騎ほどを引きつれ援軍に現れた。
彼は那和勢と激突、3度まで敵を追い崩したが、深入りした所を狙われ終に討ち死にした。
その首を取る折、安藤の直垂の裏より、血に塗れた一首の歌が見つかった。
『老いの身は 何国(いずこ)の土になるとても 君が箕輪に心留まる』
これを見た人々は皆、安藤を感賞しないと言う事はなかったと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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