上杉謙信は小男であり、左の足に気腫があり、足を引きずって歩く癖があった。
その容貌はそれほど優れた人ではなかったが、
鋭気鬱勃、颯爽として近付き難い威があった。
だいたいの合戦では具足を着ず、黒い綿の道服を着て鉄の小さい車笠を被り、
采配や軍扇を執らず、ただ青竹の三尺ばかりの、
杖のようなものを持って馬にまたがり、
電雷の如く疾駆し、その青竹を振って指揮したという。
これは梁の韋厳(韋叡)の竹如意(韋叡は生来体が弱く、戦場でも馬に乗ったことがなく、
常に儒服をまとい輿に乗り、竹の如意で軍を指揮した、という逸話)に、
倣った物だという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく

ごきげんよう!