明智光秀が越前を放浪していた頃、大黒様の木像を拾った。
光秀は、「大黒様は福の神だ」と喜び神棚に祀って毎日拝んでいた。
それを見ていた友人は、
「光秀殿はめでたい物を得ましたな。大黒様は千人の上に立つ神様です。
ますます信心すれば必ずや出世しましょう。」と言った。
それを聞いた光秀は、顔色を変えて大黒様の像を捨てた。
「この乱世、凡夫でも千人の長になれる時代じゃ。
ワシの野望はそんなちっぽけな物ではない。
大黒はワシの願いを叶えるに足りる神様ではないわ。」
と言い捨てたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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