讃岐国天霧城物語☆ | げむおた街道をゆく

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四国讃岐に天霧城(あまぎりじょう)と言う城がある。

南北朝の時代に細川家の家臣、香川氏と言う豪族が西讃岐を支配し、

戦国期には四十七の櫓を持つ壮大な山城であった。

三好氏、長曾我部氏の進攻にも耐え、堅城として名高かった。

だがある時、長曾我部軍が天霧城を包囲し、水の手を断った。

しばらく包囲していたが、一向に香川軍は降伏しない。

水の手が断たれたと言うのに、

これ見よがしに馬を水で洗うと言う余裕っぷりである。
「此度も天霧城は落とせなんだか…」
 

あきらめかけた長曾我部軍だったが、

香川氏にゆかりのある地元の尼僧を捕らえ、尋問した。
「なぜあの城には水があるのだ!どこから水を調達している!」
尋問に耐え切れず、尼僧は口を割った。
「あの馬を洗った水は、本当は白米です。遠目には水に見えますが、
あれはもはや城には水が無い証拠です…」
これを聞いた長曾我部軍は猛攻を仕掛け、ついに天霧城を落城させた。

戦後、長曾我部軍は「城の秘密を明かした不届き者」として、

件の尼僧を斬首してしまった。

それからこの城は別名「尼斬城」と呼ばれる様になったと言う…。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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