人形工房吉貞の吉田です。 | 創作人形 吉貞

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雛人形の話、趣味の話をお伝えします。

佐野の人形工房 吉貞店長の吉田です。


おひなまつりについて、まとめてみました。


お雛祭りの原点は、新生児が生まれると蛇の脱皮になぞらえ一年一年清浄に大きくなってもらおうと桃の咲く頃の巳の日にお祓いを行う習慣だったとされております。


その方法は、草藁で作った人形で体をさすって赤ちゃんに降りかかる一年分の良くないことをその人形に移して、川へ流したとされます。昔の人間の行動範囲は、せまいですから川へ流すことは、黄泉の国へ送り返してしまおうという意味があったと考えられます。


近世以降のお雛様は、豪華で高級なものになり、川へ毎年流してしまうことはできませんのでその代わりに、お家の中に神様に来てもらいお願いをする形に変わったと言えると思います。


方法は、赤い毛氈を敷きお供えものをする。



これが神様を迎える準備です。



その赤い毛氈の上にお人形を並べお願いをする。



特にお雛様には、赤ちゃんの分身として昔の藁人形同様、赤ちゃんへ降りかかる良くないことを移してもらうための人形という役割があります。【日本には、触ることでそちらに移してしまうというおまじない的な考え方があります。】



そして移した厄災を人形に封じ込めて下さいとお願いする。



この良くないものを移し封じ込めるために使うお雛様は、いわばその子のために穢したものになるため他の人には、使い回しをしないで一生その子の分身としての役割を果たすというのが考え方です。



そのほかのお供の人形は、赤ちゃんに見立てたお雛様が、将来幸せな結婚ができ次の子孫繁栄ができますようにと、それぞれのお人形やお道具に願いを託しているわけです。



たとえば、お内裏様は花婿さん、官女さんは結婚の儀式を執り行う、五人囃子は、力強い成長を願う等々・・・



そこには分身であるお雛様が幸せなら、当の赤ちゃんも幸せという考えがあるわけです。



いわば、その子のために用意したお雛様は、その子が無事に育ち結婚できた暁には、その役割を果たしたともいえますが、お母さんの分身であることには、変わりがないので毎年飾っていただければと思います。



ただそういう意味では、ご結婚を一つの区切りと考え供養されることもよろしいかと存じます。


東北の旧家などで代々のお雛様を一緒に飾るというが、毎年ニュースなどで伝えられますが、お母さんのお雛様と赤ちゃんのお雛様を並べて飾って上げられれば、理想的とは、思います。

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