Dr. K  ピークオイル考 -2ページ目

フェーズ 4

豚インフルエンザが問題になっています。 
そして今、パンデミックのフェーズ4 が宣言されそうな情勢です。 

インフルエンザ・パンデミックのフェーズの指定は、WHOの事務局長が行う、とされています。 
すでに 2005 11月、フェーズ3 が宣言されていますが、その具体的な内容は、「新しい亜型ウイルスによるヒト症例がみられるが、効率よく、持続した伝播はヒトの間にはみられていない」というものです。 
フェーズ4 以降は流行しているウイルスに、「新型インフルエンザウイルス」の名が使用されることになります。 

フェーズ4. 限られたヒト-ヒト感染が起こり小さなクラスター(単・複)がみられるが、感染拡大は非常に限局されており、ウイルスがヒトでの感染伝播にあまり良く適応していない事が示唆される。 

フェーズ5. より大きなクラスター(単・複)がみられるが、ヒト-ヒト感染は依然限局しており、ウイルスはヒトでの感染により適合しつつあるが、まだ完全なヒト-ヒト感染伝播能の確立に至ってないと思われる(著しいパンデミックリスク)。 


インフルエンザウイルスは、抗原性の違いに基づいて A, B, C の各型に分類されますが、臨床上問題になってくるのは前 2者です。 
今問題となっている豚インフルエンザは、A型。さらに「H1N1型」というのは、ウイルス粒子表面にある糖蛋白の組み合わせからなる、サブタイプの分類です。 
「鳥インフルエンザ」で問題となっているのは「H5N1型」です。 


石油減耗との関連では、需要崩壊による原油価格の下落で、燃油サーチャージが大幅に下がり、国境をまたぐ旅行客が増加することで世界的流行を加速する要因となりうる、てとこか。 

とりわけこの時期の日本は、ゴールデンウィークに突入するわけで、この期間の出入国者数の見込みは、100万人弱だとか。 
ゴールデンウィーク後、豚インフルエンザを心配する発熱患者が医療機関に押しかけそうですね。 


市中の一般的な医療機関の迅速検査キットで判定できるのは、インフルエンザに罹患しているか否か、罹患しているとすれば A型か B型か、までです。まれに A, B型の同時感染もありますが。 
発症から時間経過が短いと false negative ( 偽陰性。ホントなのに検査上は否定的 ) になりやすい一方、治療薬は発症後 48時間以内に服用を開始しないと効果が乏しいというジレンマがあります。 

治療薬は、シンメトレル (一般名 ; 塩酸アマンタジン)、タミフル(同 ; リン酸オセルタミビル)、リレンザ(同 ; ザナミビル)の 3剤が適用されていますが、シンメトレルは A型インフルエンザにしか効果はありません。 

タミフルやリレンザで、その副反応としての異常行動が指摘され、現在タミフルは 10代への処方は「原則禁止」、リレンザとシンメトレルは、「異常行動を起こす恐れがある」の注意喚起、とされていますが、もともとインフルエンザは一定の割合で脳症に進展するもので、因果関係は実のところ薄いのではないかというのが、現場の、大方の印象です。 


いずれにせよ乾燥した空気、冷たい空気はウイルスが大好きですから、加湿と加温に心掛けましょう、特に寝室。

Non-OPEC の長期減耗傾向


Dr. K  ピークオイル考


粗油を含む在来型の原油生産は、10月は 7,386万バレル/日。

全期間を通じた最高生産記録は、2008年 7月に到達した 7,484万バレル/日のまま。


Dr. K  ピークオイル考


原油価格の上昇につられて、OPEC の原油生産量は、2007年初頭から 2008年 7月の需要崩壊まで増大していました。


Dr. K  ピークオイル考


しかし、Non-OPEC にそれは認められず、長期減耗傾向がはっきりしています。
Non-OPEC は、すでに地質学的限界に突き当たっているのでしょう。



OPEC の " spare capacity " ( 余剰生産力 ) を、EIA では 340万バレル/日ほどと見積もっているようです ( Chart 33 )。
http://www.peakoil.nl/wp-content/uploads/2009/01/2009_january_oilwatch_monthly.pdf

数年後、世界経済が一過性に経済回復の兆しを見せたとしても、その間の Non-OPEC の減耗分を埋め合わせる余力は、あったとしても僅かでしょうね。


「グリーン・ニューディール」政策

オバマ新大統領が打ち出す、「グリーン・ニューディール」政策。


CO2 の排出を伴わないエネルギーインフラを整備すると同時に雇用も創出する、というのがその内容なのでしょうが、それは化石エネルギーへの依存のカットとセット、というわけのはずです。


たしかに雇用は創出されるのでしょうが、利用できるエネルギーの増大が伴わない限り、付加価値の増大もないわけで、アメリカ政府がばらまき被雇用者が受け取るお金 = ドルは、増えない取引き量との矛盾を大きくするだけでしょう。


そう考えると「グリーン・ニューディール」は、ドルとアメリカ経済の破綻を加速する政策と言えそうです。

さらに困ったことは、日本政府がこれをサルまねしようとしていることですね。


その他、SNS mixi 「石油減耗時代」コミュニティであれこれ論じています。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=3964422


よろしかったらそれらへもお立ち寄りください。

" 自由な知性 " までもが絡めとられる、「地球温暖化」

人為起源の二酸化炭素が、この間の地球温暖化の主たる原因であったのかどうか、科学的には未だ決着はついてはいません。


しかし " 地球温暖化脅威論 " は、人の善意にアピールしやすいテーマであること、また科学的真偽に決着がつけがたく " 詐欺 " の口実として耐久性の高いことに目をつけられ、徹底的に利用されているようです。


いずれにせよ、二酸化炭素の排出削減は、


・やろうとしてもできない

・やろうとしなくても達成できる

・達成できなくても困らない

・やるにはコストがかかる

・石油減耗でそれどころではない

・やってしまうと前倒しで大変



つまり、実行不可能・いやでも達成・無用・無駄・見当違い・有害無益 ‥‥ というわけです。

しかし気がつくと、私たち日本人は " 地球温暖化脅威論 " によって、見過ごしにできないほどの不利益がもたらされるようになってしまいました。


利権をあさる輩はともかく、" 自由な知性 " までもが、少なからず絡めとられていってしまったことは、いずれ歴史的スキャンダルとして、後世に語られるのでしょうね。

タイムマシンの片道切符

新年、明けました。

一応無事に年を越せたことをもって、" おめでとうございます " と言うべきなのでしょう。

しかし 2009年は、石油減耗時代の " 修羅場 " の、本格的幕開け元年のようでもあり、素直に祝う気持ちになれなかったりします。


石油減耗の事実とそのもたらす事態に気がついた私たちは、未来への強力な予測手段を持っています。

新春にあたり、初夢のごとき夢想をお許し願えば、" 強力な予測手段 " を有していることは、タイムマシンの片道切符を持っていることに等しいように思われます。


石油減耗時代の " 修羅場 " をようやく潜り抜けた 20X0年、タイムマシンの片道切符を持って、" 修羅場 " の本格的幕開けの年にやってきた私たちは今、これからどうしたらいいのでしょうか。



急いでいろいろ考えなければなりませんね。