ジャカルタ探訪('09.4) | 吉田の写真日記_鉄道旅行/小世界放浪

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インドネシアの首都ジャカルタ。

今から8年前の2009年に初訪しました。旅行でインドネシアと言えばまず思い浮かぶのはバリで、ジャカルタはその経由地、ビジネスで滞在することはあっても、旅行で長居するところではないような気がしますが、例によっての一人旅、リゾート地には目もくれず、都市型放浪となりました。初めての東南アジア。ジャカルタとはどんなところなのか。何となく胸が高鳴ります。

 


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成田空港にて。出国審査を受け終わり免税店が立ち並ぶ通路に出ると、化粧品の大きな看板が出迎えてくれる。旬な広告は毎回目を楽しませてくれる。2009.4.29 成田空港第2ターミナル


さて、次の風景はいきなりジャカルタに飛んでしまいます。深夜に着いた(成田発夕方、スカルノハッタ国際空港に深夜着)こともありますが、未だ訪れたことのない海外都市、空港からまっすぐホテルに向かい、その途中を放浪する心の余裕はなかったようです。翌日、日が上ってからの放浪となりました。

 


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日航ホテル(現在のプルマ ンジャカルタ)に宿泊。ホテルの前の通りは車種、年代、色とりどりの路線バスが走る。


ジャカルタでの大まかな放浪箇所。市中心部とボゴールを彷徨う。ジャカルタ中心部~ボゴール間は首都圏近郊鉄道「KRLジャボデタベック」が走る。今回、それに乗ることも目的の1つ。

 

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まずジャボデタベック鉄道に乗ろうと、最も至近の駅「Gondangdia」駅に徒歩で向かう。当時はスマホを持ってなく、紙の地図を見ながら、大変な暑さを感じつつ、苦労してたどり着いた記憶があります。何といっても熱帯気候、昨日まで春~初夏の快適な日本にいた身には応えました。ここをクリックするとGoogleマップに飛びます

 


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Gondangdia駅ホームに至る階段を上る。


Gondangdiaは高架の駅です。線路は複線、電化もされてます。ジャカルタコタ - ボゴールを結ぶ路線(現在はレッドラインと呼ばれている)で、基点のジャカルタコタから6つ目の駅。ジャカルタ中心部に程近い駅です。

 


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ホームから外を見下ろす。雑然とした雰囲気。現在はこの辺り、少し近代的にはなっている。


程なく電車が音を立ててやってきました。慌てて乗り込みます。エアコン、電動ドアもない、シンプルな箱が走っているような電車でした。

 

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カタカタのロングシートに座り、やれやれという感じで辺りを見回すと、ここは異国であることを、あらためて感じます。

 


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ドアに扉はなく、風を浴び、足元の線路砂利が流れ、開放感いっぱい。ドア付近に身を置くのが怖かったので、開いているロングシートに座ることとしたのです。

 


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何やら車内が賑やかになってきました。途中駅でマラカスを手にした女の子達が乗り込んできて、アカペラで(マラカスのリズムだけで)歌を歌いだしました。

 


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電車の中で歌を歌い始めた女の子たち。

 


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女の子たちは車内を移動する。その行動と並行して聴衆から歌の料金を取り立てる。(強制ではない)

 

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異な体験で目をぱちくりさせている間に、電車は終点ボゴールに到着しました。ジャカルタコタ-ボゴール間54.8Km、途中駅から乗車なので50Km、1時間20分ほど。束の間の各駅停車の旅でした。

 


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一旦改札を出て駅近くを放浪。女性は頭をすっぽり隠すベール(クルドゥン)を纏います。ここはイスラム教徒の国なのです。

 


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駅からの乗り合いタクシー後部席に陣取る子供たち。

 


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通りで蛇を売るおじさん。日常的な光景のようですが、近づく勇気がありませんでした。


暑さリスクでそれほど遠くの放浪は控え、直ぐにボゴール駅に戻りました。ボゴール駅構内を放浪します。

 


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再びボゴール駅ホーム上の人となる。当時は1番ホーム横に改札があり(現在は全ホームの一番端から地上を100mほど歩いた、離れた場所に改札がある。駅の規模が大きくなっている)古めかしい壁の装飾扉も現役だった。

 

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ホームから側線を望む。中央は元東京都交通局6000形。右は更に古い車両で、日本製の非冷房車。Gondangdiaから乗車したのはこの車両。左はボゴールから先に細々と延びる非電化単線用のディーゼルカーでこれも日本製。元都営6000系と、オレンジ色の日本製非冷房電車が側線に待機する風景は既に過去帳となっている。(両車とも引退)

 


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元都営6000形がホームに入線。構内には遮断機や警報機もなく、人力による手番となる。

 


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ホームに直に座り、足をだらりと線路床に伸ばす。子供たちが自由に車体に触れる。のどかな昼間の駅構内。


ボゴール駅にある時刻表や料金表を見て段々分かってきたのですが、ジャカルタコタ-ボゴール間には、2つの列車種別(各停のエコノミーと快速のエクスプレス)があるようです。エコノミーには非冷房車が主に割り当てられ料金は2500RPI(ルピー)、エクスプレスは日本で活躍した車両が割り当てられ料金は11000RPIでした。エクスプレスに乗っても90円位です。        (※現在は元日本で活躍したエアコン車に統一されている。各駅に停車。 ジャカルタコタ-ボゴールの料金は5000RPI。それにプラス10000RPIでプラスチックカードが必要。カードは使いまわし式)

 


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ボゴールで発車を待つジャカルタコタ行きエコノミー。オレンジ色の車体、非冷房で手動ドア(開けたまま走る)の車両があてがわれる。

 


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ギターを手に電車で待機するお兄さん。先ほどは少女の歌い手だったが、お兄さんも電車で小遣い稼ぎを目論んでいるよう。

 

さて、ひとまずボゴール駅での放浪を終え、ジャカルタコタへ向かいます。エアコン付のエクスプレスに乗り込みました。

 

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日本時代そのままのエクスプレス車内。何だか日本に居るようだが、不図目の前を見ると、インドネシアの子がこちらを見ている。見慣れた車内と人とのマッチングの不思議さを感じる。

 

 

終点ジャカルタコタに到着です。ジャカルタ近郊からの路線が乗り入れる、ジャボデタベック鉄道の起点に到着です。

 

ジャカルタコタの航空マップ。典型的な、絵に描いたような終端駅。ボゴールからの線路(レッドライン)は右下南東部から90度カーブを描き、高架から下り傾斜でジャカルタコタの地表ホームに到達する。

 

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エクスプレスに乗ってジャカルタコタに到着。

 

ジャカルタコタは終端行き止まり式の駅です。地表に12線ほどのレイアウで広大な地表ホームです。改札はホーム終端に位置し、広い空間の壮大な駅社屋が覆います。建物やホーム、すべてに古めかしさが漂います。

 

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ホーム屋根の赤錆色の鉄柱にも古びた魅力。

 

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ホームをベンチ代わりに、足を線路床につけて一服する少年。

 

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ホーム終端、改札手前の待合スペース。

 

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何か一つ目小僧のような、異様な顔の電車が人で溢れるホームに到着。オランダ製のHOLECという車両。2012年まで活躍。

 

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元東急8000系はこの当時の最新車両。

 

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元京葉高速1000形も新天地で活躍

 

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EL+客車列車も暫し身を休める。

 


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ホームを彷徨い疲れ、発車待ちの電車の中で休憩する。ドアの外は飲み物売りが闊歩して賑やか。


さて、またまたと言っては変ですが、一度乗って勝手が分かった(切符の買い方や改札の通り方)こともあり、ボゴールまでもう一往復することとしました。夕方のラッシュの時間帯、どうなるのか見てみたかったのです。ジャカルタ滞在日数は短く、恐らくFullにジャボデタベックに触れるのは今日一日だけ。帰りは夜遅くになりそうですが、もうひと頑張りすることとしました。

再びボゴール。夕方のラッシュ時となってました。

 

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エコノミーに群がる人々。オレンジ色の車両に皆乗れるのだろうか?

 

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ボゴールから先の非電化単線区間へ向かうディーゼルカーも発車待機中。その前を人々が慌しく横切る。

 

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エクスプレスも走るが、やはり料金の安いエコノミーに多くの人が流れる。90円対20円、値段は4分の1ほど。

 

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あたしたち、乗れるのかしらねー

 

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ジャカルタコタ行きエコノミーが満員のお客を乗せて出発。


私はこの後のエクスプレスに乗って、今日の出発地点Gondangdiaへ戻りました。エアコンは快適(必須)です。車内はガラガラで、ボゴール駅の喧騒が嘘のようでした。Gondangdiaからはバジャイを利用。バジャイにも難なく乗れるようになりました。こうしてジャカルタ初訪、一日目は終わりました。

 

撮影日:2009年4月30日