今から、人生のあらゆる局面で通用する人との関わり方について、児童相談所の対応をヒントに紹介する。


突然だけど、質問!


自分の子どもを3ヶ月に1回くらいの頻度で殴る父親がいる。

あなたが児童相談所の職員だとします。
その父親にどのような事を言うか、あるいは接し方をするか?


多分、多くの人が思うことが、父親を責める(あるいは、非難し注意し怒る)といったことだと思う。



↓こんなふうに

漫画「夏目アラタの結婚」より


実は、これは違う!!


児童相談所はたとえ虐待だとしても責めてはいけない。



もちろん、虐待はよくないことを指摘したり、やめるように促すことはある。



しかし責めない


  1.人間関係の構築


なぜ、責めないかというと児童相談所は虐待する親と関係をつくっていかなければならない。



というのは、虐待されたとはいえ、子どもは親元で育つことが心身の発育にとって最善であるとされている。



ということは、児童相談者は、虐待している親が今後子どもと適切な関わりができるように支援していかなければならない。



そこで、親との関係が築けないと親は児童相談所の言うことを聞かなくなってしまい、支援どころではなくなる。



繰り返しになるが、
児童相談所は親と関係をつくるため、責めないわけである。


ちなみに、虐待された子どもの命を守るため一時保護した場合、児童相談所に最初来る親は怒り狂ってる場合が多いという。
そんな、親と関係性を構築するわけだから、児童相談所の職員は本当に大変である。。。



  2.責めないやり方


実際に、やりとりはこんな感じである。

活発なお子さんを育てる中でお父さんの苦労もあり、どうしても手が出てしまうこともあるかと思います。

しかし、3ヶ月に1回叩くということは、2ヶ月以上は叩かないで我慢しているということですよね?
それは、なぜですか?
どういった時に我慢できていると思いますから?


まずは、褒める、苦労を労うことである。
その後は叩くことには触れない。
叩かなかったというプラスの面に着目していく。


サムネイル
 

3ヶ月に一回叩けば十分クソだろ
褒めることなんてねーよ


と、私も思うが、それは置いておく。
全ては関係性構築のためである。



児童相談所の職員は指導する、矯正する、指図するなどといった空気を出してはいけない。



逆説的ではあるが、こういったアプローチの方が却って親に伝わり虐待が収まるのである。



  3.児童相談所から学ぶ究極の手法


ハッキリ言って、児童相談所が関わるレベルの虐待をする親はヤバいやつが多い。




何らかの知的なハンディーを抱えている人がほとんどであると主張する人もいるくらいである。




そんなヤバいやつヤツが怒り狂っているのに、児童相談所の職員はその人と仲良くしいくわけである。




それに比べたら、社内の先輩後輩、家族、友人、取引先、近所など、良好な人間関係を作ることは簡単に思える。




実は、褒める、責めないといった手法は世に出回っている啓発本にそっくりであることに気がついた。





これらの本にも、相手を褒める、相手の非を責めない、相手の自尊心を高めるなど延々と書かれている。



また、傾聴することも重要である。



我々の児童福祉分野においても、カウンセリングの技術に関しては高橋和巳が有明である。




黙って聴く(口を挟まない、要約しない、質問しない、確認しない)などの技術は非常に重要である。




カウンセラーに全く縁がない人でも日常生活においては気づきのある本である。



  4.おわりに〜まとめ


例えば、私自身の失敗例として自分の妻に


サムネイル
 

料理作りながら、洗い物も同時進行でやった方が効率いいよ。


と言ってしまったことがある。もちろん妻は不機嫌になった。




これは、妻に対して指示しており、妻の効率が悪いことを責めているのである。




そうではなく、

・料理してくれることを感謝する。

・洗い物もしてくれていることを労う。

・大変だからどうやったら、洗い物が楽になるか一緒に考える。あるいは妻に問いかける。





良好な人間関係を築くことに、分野は関係なく、同じような手法が有効であることを述べてきた。


・相手を褒める、労う。

・非難しない。責めない。注意しない。怒らない。

・良い部分に注目する。

・指示や指導をしない。

・よく聴く。相手に喋らす。


といった事を実践してはどうだろうか?