1.どんな本?


初版は1936年で、以降90年近く世界中で読み継がれてきた自己啓発本のレジェンド。


デール・カーネギーは、鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーとは別人。



本書は人生で役立つ内容が盛りだくさん。



タイトルの邦訳「人を動かす」がカッコいいため、エリートサラリーマンや経営者向けの本に感じてしまうが、そんなことはない。



タイトルを直訳すると「友情を獲得し、人に影響を与える方法」となる。
職場、家庭、サークルなど日常のコミュニティの対人関係において役立つ本である。

  2.特徴


この本はなんと言っても引用が長い。



各チャプターの冒頭で筆者の主張が5〜10行くらいちょろっと出てくる。




その後は何ページにも渡ってひたすら引用が続く。




アンドリュー・カーネギー、ベンジャミン・フランクリン、リンカーン大統領みたいに有名人の例もあれば、全く知らない一般人や筆者自身の例など様々である。




これをどう捉えるか?



印象に残ってよかった!


くどい!ダラダラしてる!



と、分かれそうだが、私は両方思った。笑


  3.内容と感想


本書は長いようで大事なことは少ししか言っていない。



相手を立てる


ほんと、これしかない。



尊重する、褒める、誤りを指摘しない、責めない、否定しない、自己の重要感を高めさせる、傾聴するなど言い方を変えているだけである。



彼(ベンジャミン・フランクリン)によると、成功の秘訣は誰の悪口も言わず、すべての人の長所についてだけ指摘することだという。



こんな具合である。



私は普段、ディスカバー21社の超役シリーズには否定的だが、本書に関してはこれでもいいかもしれない。なぜなら同じことしか言っていないから。笑



 

漫画好きな人は知っているかもしれないが、相手を立てるといって思い出すのは↓である。


漫画スラムダンクから



部活動では、精神力を培うという観点から多少のスパルタも許されると思うが、部活以外の場面でやるのはよくない。




一般的な家庭や会社で怒りすぎると、上記の漫画のようになる。




ほわちゃあで済めばいいが、それが能率の低下、精神疾患、チーム力の低下、成績不良などのデメリットをもたらすのだと思う。




とにかく、相手を立てる。方法は色々あるがらこれにより相手の自尊心が満たされ、いい結果をもたらすのである。



  4.おわりに


簡単じゃん!

と思った人は大間違いである。




実際はムカつく人、ダメな人、明らかに間違っている人、無能な人、理不尽な人など、こういった人たちに使っていかなければならないことも多い。




言うは易し行うは難し。




本気でやるなら、まずは褒める、傾聴するなどできそうなところから練習する他ないと思う。




おしまい。