残暑お見舞い申し上げます。
夏の終わりが見えなくなってしまっている今日この頃。
今月はブログに何を書こうかと思っていたら、うちでとっている日本経済新聞の本日(2025年8月31日)付に、マヤ鉄道について取り上げられた記事がありましたので、今回はこれをテーマにしたいと思います。
その名が示すとおり、古代文明で知られるマヤ遺跡のあるメキシコ・カンクン半島に、半島を一周する形でマヤ鉄道が開通したのは、昨年(2024年)12月のこと。
*2023年12月には部分開業していました
新聞記事でまず目を引いたのは、リゾートとして有名なカンクンビーチの玄関口、カンクン国際空港に隣接したカンクン駅の空撮写真。
記事にあるように、まるでジャングルに舞い降りた宇宙船というか、航空母艦のようにも感じられる偉容を見せています。
総延長1600km弱は、東京-鹿児島中央間をゆうに超える距離。
フランスのアルストム社が製造した真新しい車両は、確かに外観も内装もきれいなのですが、座席シートは豪華に見えても、方向転換できない代物とか。
*記事には「リクライニングもできない」とあったのですが、「日本には及ばないが満足できる角度」と書いてある乗車体験者のブログもあるので、車両等により違うのかもしれません
観光鉄道と銘打っている割には、軽食サービスも貧弱だし、沿線風景についても期待するほどのものではなく。
新聞記事では悪評紛々という感じですが、それでもメキシコが「古代メキシコ遺跡新幹線(在日メキシコ大使館のnoteより)」として国を挙げてのPRに余念がないというのは、ひとえに「前大統領が自身の出身地でもある南部地方の経済発展のため」という政策を掲げ、まさに「我田引水」ならぬ「我田引鉄」の勢いで着工、当初計画の3倍超に達する5兆円の総工費をかけ、開業にこぎ着けた経緯があるからとのこと。
サービスはもとより運行本数もまばらで、運営も手探りの域を出ないとのことですが、政府はさらにほかの鉄道路線とも接続させ、国内で3000km超の旅客鉄道網を復活させるという壮大な青写真を描いているそうです。
ローカル鉄道の廃線議論がかまびすしい日本とは対照的に、メキシコは1990年代までに次々と廃止した旅客鉄道網の大規模な復活へと動き出しているようで。
インフラの整備がいっそう進み、サービスも充実すれば、マヤ鉄道が日本からの観光ツアーのルートに組み込まれる日も、そう遠くはないかもしれません。
ある意味、うらやましい限りです。
同日の新聞ではそのほかにも、メキシコからそう遠くない中米のパナマについて、ANA(全日空)ホールディングスの社長が観光地、あるいは交通の結節点として大きなポテンシャルを秘めている旨エッセイを書いていたり、その下の記事にはイタリアのポンペイ遺跡の写真が掲載されていたり。
*そういえばポンペイの街に噴火の灰を降らせたベスビオ火山にも、1880年に登山鉄道が開業し、そのコマーシャルソングとして「フニクリ・フニクラ(日本では替え歌として「鬼の○○○」のほうが有名ですが)」が制作された話はちょっとした小ネタ。
もっともその「ヴェズヴィアナ鋼索線(ケーブルカー)」はたびたびの噴火や地滑りにより運休を余儀なくされ、1944年の噴火が決定打となって、廃線の憂き目に。
もし今もあったら、ぜひ乗りたかったなあ。
でも新聞で最も印象的だったのは、マヤ鉄道の記事のちょうど裏面に、日本の「我田引鉄」を象徴する人物であった田中角栄氏をモデルとする漫画「角栄に花束を」が、今人気があるという話。
多分偶然とはいえ…いやはやなんとも。