今から四十数年前、国鉄線を乗りつぶしていた頃に愛用していた時刻表はすべて処分してしまったのですが、JTBが大幅なダイヤ改正のあった時期に絞って復刻版を出版しており、私も、自分が乗りつぶしを楽しんでいた頃の時期、1982年6月号(東北新幹線開業時)と同年11月号(上越新幹線開業時)の復刻版を取り寄せました。
まだ、じっくり中身を拝見するという余裕はないのですが、常日頃気になっていること、例えばこのブログではワイド周遊券や青春18きっぷなどを駆使した旅行記を綴り、旅行記終了後も郷愁を交えて「ワイド周遊券はよかったなあ」なんて感慨をつぶやいたりしています。
そこで一番気になっていたこと、「当時のワイド周遊券は、いったいいくらぐらいで買えたのだろうか?」という疑問。
ページをめくると、そこには驚愕の事実が!
北海道ワイド周遊券…東京発・20日間有効 おとな31,500円!
この価格で、自由周遊区間内の国鉄線・国鉄バスが自由に乗り降りでき、普通列車の自由席はもちろん、急行普通車の自由席や(自由周遊区間に限り)新幹線を除く特急の自由席も、追加料金なしで乗ることができたのです。
また、出発地と自由周遊区間の往復の経路上も、急行普通車の自由席に乗れたり、途中下車も可能だったりしました。
さらに、学割は同じ条件で23,300円。
北海道ワイド周遊券の場合、10月1日~翌年5月31日までは発売日基準でそれぞれ2割引になり、年末年始やゴールデンウィークを除く、なんて制約もありませんでした。
ワイド周遊券はほかにも、東北や北陸、四国、九州などに設定され、なかには信州ワイド周遊券のように、一県まるごと、というのもありました(信州ワイドの場合、東京発で7日間有効、おとな9,400円)。
また、ワイド周遊券の自由周遊区間を一回りせばめた「ミニ周遊券」も、有名観光地を中心に各地に設定されてましたが、個人的にはあまり使わなかったかなあ(当時すでに青春18きっぷが発売されていたので、ワイドがカバーされてない地域はそちらのほうを使い倒した記憶があります)。
ワイド周遊券のいいところは、なんといっても有効期間の長さ。
そして自由周遊区間のルート設定が、文字通り「自由」であること。
乗りつぶしに限らず、帰省のついでに地元の観光もしようとか、あるいは普通の観光旅行でも気に入ったから長く滞在するとか、天気や体調によって予定を変更するとか。
有効期間が長く、ルート設定が比較的自由であれば、そういった事態にフレキシブルに対応できるのが強みといえましょう。
それにしても。
純粋に交通費だけとはいえ、2~3万円台で約3週間も有効期間が設定されたきっぷが存在していたとは、まさに隔世の感がありますね。
もっとも、当時の学生のアルバイト代は東京都内であっても、時給500~600円が相場。
時給が500円に満たない仕事も、決して珍しくはありませんでした。
こちらのほうも隔世の感が…。
いきおい、バイトで稼いだお金を旅行につぎ込むにしても節約を旨としなければならなくなり、鉄道旅行の場合、宿代を浮かせて効率よく旅程をこなすために夜行列車を利用するのも一般的に行われていました。
夜行での連泊を重ねる「猛者」も少なからずいましたね。
このブログでも夜行を使った旅行記を載せたりしてますが、実は私、夜行列車がことのほか苦手。
ブルートレインとか、豪華な寝台列車にもあんまり食指が動かないタイプなんです。
ですから夜行列車はできるだけ避け、門限の壁はあるものの、当時の節約旅行には欠かせない存在であったユースホステル(YH)を利用することが多かったですね。
ところが今、旅行にユースホステルを利用しようと思っても。
当時は当たり前であった「館内禁酒」のルールが緩やかになり、原則男女別相部屋が常であった客室も、個人や家族、グループで一部屋(その場合は男女同部屋も可能)貸し切ることができるようになったり。
利便性は増したといえるのですが、YHの数自体が減っていることはもとより、鉄道旅行に必須の「駅(またはバス停)から近いこと」を満たすところが、市街地や有名観光地などを除けば、少なくなっているんですよ。
まあ、いわゆる「クルマ社会の進展」といってしまえばそれまでなんですが。
クルマ社会の進展もあり、鉄道の廃線や長期運休が相次ぐ一方で、当時と比べ、飛行機は身近な存在になったと思います。
あえて前のほうでは書きませんでしたが、四十数年前、北海道や九州にはワイド周遊券のほか、片道飛行機を利用できる「立体ワイド周遊券」というのも存在していました。
で、この値段が北海道の場合、東京発20日間有効・札幌(千歳)空港経由で、おとな50,700円!
しかも、学割はありません。
往復鉄道利用のワイド周遊券の2倍近くのお金がかかり、金額がまた、各種割引が充実した現在の航空運賃と比べてもかなりの割高。
いかに、当時の飛行機旅行が「高嶺の花」であったか。
私自身は、立体ワイド周遊券を利用したことがないどころか、利用しようと思ったことさえありませんでしたから。
現在は旅行会社のパッケージツアーでも、かなりお得に飛行機の旅が楽しめる機会も増えましたし。
そうそう、飛行機のサービスも、この四十数年間で飛躍的に充実しました。
なかでも画期的なのが、海外の航空会社が発祥とされるマイレージサービス。
飛行機に乗ったり、あるいは提携した店や施設などで買い物をしたりサービスを利用したりすれば、それに応じてマイルがたまり、ためたマイルで航空券に引き換えられるというもの。
個人的にも、いっぱしの陸(おか)マイラーとして大いにマイルをためているところです。
*飛行機には、この数年間乗ってないなあ
最近になってJR東日本が、阿佐ヶ谷姉妹を使った広告で、飛行機のマイル感覚でJREポイントというJR東日本のポイントをためれば、新幹線にも乗れるよなんてアピールしてます(たぶん乗れるのは、JR東日本エリアの新幹線に限られるんでしょうが)。
ワイド周遊券の復活は無理でも、JRグループの他社の新幹線などにも乗れるようになったり、飛行機みたいにより広い範囲でマイルならぬポイントをためるチャンスがあれば、「鉄道ポイ活」を始めるかもしれませんが、正直、海外にも行ける飛行機のマイルの魅力にはかなわないかな。