クマ出没問題本当の解決法
クマが出没が増えているというが、わたしが経年のデータを見る限り、個体数は増えておらず、出没を大げさに報道しているだけだと思われる。
ところが現在の行政の方針はクマの駆除、もっとダイレクトに言えば殺処分。北海道のヒグマより大人しい本州のツキノワグマに対しても同じように危ないと言って、銃の免許を緩和してまでもその方針を変えない。そして挙げ句の果てには、冬眠している親子熊を射殺してもいいとまで言っている。何という傲慢さだろうか。わたしはそこに人間中心主義の愚かさと、環境行政の根本的なズレを感じた。
クマの出没は、原生林が杉や檜の植林で実の成る木が消滅したことと、過疎化の進行で人間が住む所と野生動物の住む所の緩衝地帯である中山間地域がなくなったことでクマが餌を求めてダイレクトに人里に現れるようになったことがすでに解明されている。
なのでクマを殺処分しても何の問題も解決しない。
この一冊のブックレットはリンク先から100円で入手できるが、30年前から続く野生動物の殺処分におかしいと思った小学生たちが自分たちで調べて、先生たちを動かし、県知事や天皇陛下に直接掛け合ってクマの殺処分をなくし、解決策として広葉樹の植林を実現させた感動のストーリーである。
その時の担任の先生が教え子が、大学生、社会人となっても活動を続けていく団体として作ったのが日本熊森協会、現在は教え子の弁護士の方が2代目の会長になっている。
クマだけに限らず、多くの野生動物が人命優先の考えのもと、ずっと殺処分され続けてきた。
殺処分にはお金が出るのに、野生動物保護や広葉樹の植林にはお金が出ず、持ち出しでボランティアでやるしかない。
わたしは、日本および世界の環境保護運動は、2000年を境に頭に「地球」の文字が付き、野生動物の保護から荒唐無稽な二酸化炭素の削減に変質したことでおかしくなっていったと思っているが、それに呼応して環境保護団体も野生動物の保護ではなくCO2削減しか言わなくなった。
現在、このピラミッド社会はもうこれ以上金儲けできなくなってきていて、新しいルールを創って新しい金儲けの仕組みを創る必要性に迫られているらしい。
その象徴がSDGsであり、排出権取引とか、環境税とか、グリーン投資ということを企業や市民に課そうとしているが、これをやれば原発が再稼働し、太陽光パネルや風力発電が山や平野や海に置かれ環境破壊がより一層進むのは目に見えている。
どうせ環境など新しい分野にお金を使うならば、環境保護の原点に立ち返って、熊森協会が提唱する以下を実践すべきだ。
杉や檜の国産材は活用しながら面積を減らしていく、お金にならない広葉樹の植林に多額の税金を投入すれば、野生動物の殺処分もなくなり、子や孫の代まで安心して住める社会になる。
薄くすぐ読めるような本だが、いろいろ考えさせられ勉強になった。
クマともりとひと